一酸化二水素（正式名称はDihydrogen Oxide、以下DHOと略する）の恐ろしさが理解されたでしょうか。このページをごらんになっている方は、「なぜ科学者はこのような危険な化学物質を放 置しておくのか」と思われたことと思います。あるいは、「そんなことはあるまい。DHO等という恐ろしいものは存在しないのだろう」と楽観的にお考えで しょうか。いいえ、ちゃんと存在しています。そこにもあそこにも。
もっと科学を勉強しましょう。あなたはこれから健康食品やら、波動やら、健康水やら、オウムやら、石鹸を使おう運動やら、環境ホルモンやら、買ってはいけないやら、科学の装いを持ったペテンにだまされ続けるでしょう。本当のことを言っているからといって、それが正しいとは限りません。観測されたことを安易に一般化してはいけません。「これが真実だ」と言う内容は眉唾です。一般に信じられていることとは逆に、科学は真実については語らないのです。
以下の記述を読めば、DHOの危険性を喚起した文章に嘘が無いことが判るでしょう。
Dihydrogen Oxide (DHO)はこの物質の一つの名前ですが、この物質は通常「水」と呼ばれています。水は身の回りにあります。毎年多くの方が水の事故で亡くなっていますから、水は危険です。水はH2Oという化学式を持つ化学物質です。人間は重量でその80％以上が水で、生命活動に水は必須ですから、亡くなる方には全て何らかの形で水が関与しているといっていいでしょう。
水は無色無味無臭です。水は手をふやかします。地球上で水の無いところはありません。
人間は10 kg（10 リットル）もの水を飲むと死んでしまいます。静脈注射ならばはるかに少量で済みます。
水 が無ければ経済活動や軍事活動に限らず、どのような生命活動も行なうことができません。癌細胞に限らず、全ての細胞は水を含んでいます。遺伝子組み替え植 物に限らず、どんな生命も水なしには成立しません。人に限らず全ての生命は定期的に水を摂取しなければ生きていられません。人は、水を飲むと汗をかきお しっこをしたくなります。
水は水素と酸素からできています。だからといって、水が水素や酸素の性質を持っているわけで はありません。水は水素と酸素の化合物です。化合物は混合物とは全く異なるものです。水素と酸素が反応して水になってしまうと、水素の性質も酸素の性質も 示しません。水が水素爆弾や中性子爆弾の原料となるのは事実です。しかし、それは水のせいではありません。
原子力発電所に限らず、火力発電でも水力発電でも水が必要です。また、水が無ければ、化学工場に限らずあらゆる工場が動かなくなります。しかし、機械に水をかけたら動かなくなります。特に電気製品はショートしてしまうので、水をかけてはいけません。
水が温室効果ガスなのは本当です。もし大気中に水（蒸気）が無かったら、地球は凍りついてしまうでしょう。
酸性雨に限らず全ての雨の主成分は水です。酸性雨の害は水が原因ではなく、含まれる酸性物質が原因です。地形を作るのは水の作用によるものです（浸食など）。
石油や石炭に限らず、我々の身の回りのものは燃えると必ず水を出します。
固体状態の水とは氷のことです。気体状態の水は少なくとも100℃の高温です。いずれも凍傷ややけどを引き起こします。
ナトリウムは非常に反応性が高い金属で水とも激しく反応し、ナトリウムイオンになります。体内にあるのはナトリウムイオンであり、金属のナトリウムではありません。ナトリウムイオンは水とは反応しません。
麻薬や殺虫剤や農薬に限らず、薬を使うときには必ず水と一緒に用います。
DHO（水）の危険を告発する文章に嘘はありません。それでも、間違った印象を与える文章を書くことは簡単です。世の中にはこの類いの文章が充満しています。御注意ください。