手紙を書くときには時候の挨拶を入れるのが常識ですね。化学者の使うべき時候の挨拶を考えてみましょう。

春

ＤＭＳＯが液体でいる季節となり、実験がしやすくなりました。

窓から見える若葉の650nm付近の吸収が目を楽しませてくれています。

雨にぬれるアントシアニンの微妙な色彩が梅雨のうっとうしさを慰めてくれます。

夏

• エーテル溶液の分液に苦労していらっしゃることと存じます。
• ヨウ化メチルのびんが空にならない季節が待ち望まれます。
• 戸外での光反応が速やかに進むようになり、季節の移ろいを感じさせます。

秋

• すっかり塩化メチレンも使いやすくなりました。
• 近くの梨畑から酢酸アミルの香りが漂うようになってきました。
• ＴＭＳを入れるにも余裕をもってできるようになり、ほっと一息を付いております。

冬

• ベンゼンが凍る季節となり、一斗缶が実際以上に重く感じられる様になりました。
• 実験台に凍った酢酸のびんがあると、冬の厳しさが一層身にしみます。
• 寒い中ですが、街角にゲラニオールが香るとうれしくなります。

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